今回は、「つまらない文章しか書けない」と思っているあなたに向けて、すぐにでも実践できる、小手先のテクニックを5つお教えします。
下記の例文に対して、5つのテクニックを1つずつ反映させながら、ご紹介していく形式を取りたいと思います。
駅の階段を上がっていると、前を歩くお姉さんが階段を踏み外した。私はとっさに、そのお姉さんに手を差し出し、大丈夫かどうか尋ねた。すると、お姉さんは、お礼を言ったあとに、私の手を握って立ち上がった。
セリフを入れる
駅の階段を上がっていると、前を歩くお姉さんが階段を踏み外した。私はとっさに、そのお姉さんに手を差し出し、「大丈夫ですか?」と尋ねた。すると、お姉さんは、「ありがとうございます。」と、私の手を握って立ち上がった。
実際のセリフをそのままの口調で入れることで、その人が話す情景が浮かび、文章に臨場感が生まれます。
現在形を混ぜる
駅の階段を上がっていると、前を歩くお姉さんが階段を踏み外した。私はとっさに、そのお姉さんに手を差し出し、「大丈夫ですか?」と尋ねる。すると、お姉さんは、「ありがとうございます。」と、私の手を握って立ち上がった。
報告型の文章から抜け出すには、時制をうまく使い分けることが有効です。過去の文の中に現在形を盛り込むことで、その過去の文に入り込んだかのような「没入感」を与えることができます。
最初の一文でつかむ
突然の出来事にハッとした。駅の階段を上がっていると、前を歩くお姉さんが階段を踏み外した。私はとっさに、そのお姉さんに手を差し出し、「大丈夫ですか?」と尋ねる。すると、お姉さんは、「ありがとうございます。」と、私の手を握って立ち上がった。
やはり、最初の一文は大切です。ここで、インパクトを出し、読み手をつかむことで、「続けて読みたい!」と思わせることができます。
カッコを使って補足する
突然の出来事にハッとした。駅の(やや急勾配な)階段を上がっていると、前を歩くお姉さんが階段を踏み外した。私はとっさに、そのお姉さんに手を差し出し、「大丈夫ですか?」と尋ねる。すると、お姉さんは、「ありがとうございます。」と、私の手を握って立ち上がった。
背景情報や感情などをカッコを使って書くことで、直接話されているかのような感覚にさせることができます。
会話をしてなにかを伝えるとき、その場で言葉を紡ぐため、完璧な文章では話せず、内容が少し前後してしまいます。自分はなんとか話を伝えようと、そして、相手はなんとか理解しようとするような場になります。それをカッコを使うことで表現することができます。
記号を使う
突然の出来事にハッとした。駅の(やや急勾配な)階段を上がっていると、前を歩くお姉さんが階段を踏み外した。私はとっさに、そのお姉さんに手を差し出し、「大丈夫ですか?」と尋ねる。・・・お姉さんは、「ありがとうございます。」と、私の手を握って立ち上がった。
記号を使うことで、文章では表現できない「空気感」を演出することができます。しかし、記号をあまり使いすぎると読みづらくなってしまうため、ほどほどにしておくのがオススメです。
おわりに
元の文と、テクニックを反映させた文を見比べてみましょう。
元の文
駅の階段を上がっていると、前を歩くお姉さんが階段を踏み外した。私はとっさに、そのお姉さんに手を差し出し、大丈夫かどうか尋ねた。すると、お姉さんは、お礼を言ったあとに、私の手を握って立ち上がった。
テクニック反映後の文
突然の出来事にハッとした。駅の(やや急勾配な)階段を上がっていると、前を歩くお姉さんが階段を踏み外した。私はとっさに、そのお姉さんに手を差し出し、「大丈夫ですか?」と尋ねる。・・・お姉さんは、「ありがとうございます。」と、私の手を握って立ち上がった。
いかがでしょうか。多少は、文章に躍動感で出たのではないかと思います。ぜひ、実践してみてくださいね。ただし、テクニックを使いすぎると、くどくなってしまいますので、ご注意を。
コメント