ますます複雑になっていく社会のなかで、必ず求められる「問題解決能力」。
パソコンを立ち上げ、”Scratch”(スクラッチ)を開いてあげるだけで、将来、子どもが大きくなった時に、どんな問題にも立ち向かうことができるような考え方を、今のうちからトレーニングさせてあげることができます。
今回は、問題解決能力のパワーアップを図ることができる ”Scratch” を簡単にご紹介したいと思います。
問題解決に必要な能力とは?
どんなに複雑な問題であっても、基本的に、その解決手順は変わりません。
問題を解決するまでの間には、①問題を認識し、②解決できそうなサイズに切り分けて、③順序付けて対処していく、という3ステップを踏みます。
ここまでを自身でできてしまえば、何をどう使えばいいか/誰にどんなお願いをすればいいかが明確になり、解決に向けてアクションを起こすことができます。
MITメディアラボが作った ”Scratch”
確かに、問題解決能力が大切なのはわかるのですが、特に子どもの場合、そういった経験を通して学ぶ機会が少ないのも事実です。
そこで、「自分はこうしたい!」という問題を自ら生み出し、その実現に向けて試行錯誤を繰り返すのに持ってこいの ”Scratch” をご紹介したいと思います。
”Scratch” とは「スクラッチ」と読み、子どもでもゲームやアニメーションを感覚的に作ることができる学習用のツールです。2006年に、マサチューセッツ工科大学(MIT)が開発したもので、誰でも無料で使うことができます。
Scratchの公式サイトは、こちら。
ダウンロードは不要で、上記サイトを開いて1クリックで遊びはじめることができます。
”Scratch”で遊んでみた
まずは、公式サイトを開きます。
ページ最下部に言語設定がありますので、「日本語」から「にほんご」に切り替えることで、小さなお子さまでも遊べるようになります。
左上の「作る」を押すと、編集画面に移ります。
編集画面は、このように縦に3分割されています。
左側の「できること」にある、命令のブロックを中央の「やってほしいこと」にドラック&ドロップし、どんどん繋げていくことで、右側のキャラクターがその通りに動いてくれます。
たとえば、「私に挨拶してほしい」と思ったら、このようにブロックを繋げていきます。
スペースキーを押すと、入力欄が出現し、そこに名前を入力すると、「こんにちは!」と言った後に、名前を呼びかけてくれるようになります。
先ほどの問題解決能力のお話に沿うと、「私に挨拶してほしい」という問題を解決するためには、「名前を教えなければならない」、「こんにちはと言ってもらわなければならない」という2つの問題に切り分け、そして、「挨拶の時に名前を呼びかけてもらうには、先に名前を教えておかなければならない」という順序付けをする必要があります。
ここまで考えることができると、”Scratch”の編集画面では、左側のブロックから切り分けた問題を対処することができるものを選び、順序付けした通りにブロックを繋げることで「私に挨拶してほしい」という問題を解決することができます。
あれ?これって・・・
あえてここまでこの言葉を使わなかったのですが、これは「プログラミング」そのものです。
プログラミングと聞くと、「それは理系の人がやるもの」や「システムエンジニアがやるもの」と思ってしまう方も多いと思います。
しかし、プログラムを組むというのは、ただの行為に過ぎず、そこで養われるものは、解決に向けてどのようなプログラムを組めばいいかを考える力、つまり、今回の主題である「問題解決能力」なのです。
おわりに
お子さまには「適当にブロックを繋げたら、面白い動きをしてくれるネコ」に興味を持ってもらい、次第に「ネコ、こんな風に動いてくれないかな?」と主体的に学習を進めていってもらえるようになればベストだと思います。
まずは、第一歩として、お子さまに ”Scratch” の画面を見せて、かんたんなレクチャーをした後、自由に触らせてあげるのが良いのではないかと思います。
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